No.019

モードアドバイザーの生活にフィットする、
機能的な財布

「カインドウェア本店」モードアドバイザー西原 英司さん

これ以外に長く愛用した財布は
ありません。
使いやすくてかっこいいので、
絶えず持ち歩いています。

長年アパレルの企画に携わり、現在ではモードアドバイザーとして人々の生活に適したスタイルを提案し続けている西原英司さん。
モノづくりへの造詣も深い氏ですが、背景よりも直感的なかっこよさや、使い勝手の良さでモノを選ぶことが多いと言います。
今回、グレンロイヤルの財布を愛用されている理由と仕事やライフスタイルについて伺いました。

お客様との会話を通じて、生活に適したコーディネートを提案。

━モードアドバイザーとは、どのようなお仕事ですか?

普段はスーツをメインに提案しているのですが、それに携わるシャツやシューズ、小物なども合わせてトータルコーディネートとして提案しています。そもそもビスポークとは会話をすることですので、お客様との会話を通じて、その方の生活や環境を理解し、またご要望にも合わせてアドバイスをするように心がけています。そういう意味では、スタイリストとも、販売員とも、フィッターとも違うスタイルの仕事かもしれません。


たとえば、つい最近もわざわざ京都からご来店くださったお客様がいたのですが、生地や素材がどうだという話よりも、「あんなことがあった」、「こんなことがあった」、「こんな時はどうしたらいい?」という会話からイメージを作り、「では、こういうスタイルはいかがでしょうか?」と提案させていただきました。単純なオーダーであれば、「この服をください」や「これを作ってください」で終わると思うのですが、その方の生活にまで想いを馳せてイメージをするという意味では、とてもやりがいのある仕事だと思っています。ですので、一人のお客様と接するのに最低でも1時間以上はかかりますね。


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これまでの経験を、余すところなく活かせる天職。

━お客様のご自宅へ訪問し、スーツを仕立てることもあるのですか?

職業柄なかなか外出できない方のために、ご自宅まで伺って採寸することはありますよ。よく伺っているのは、病院の先生ですね。夜遅くに仕事が終わっても開いているお店がないということで、訪問採寸をさせていただきました。僕はスーツ以外にも、アメリカブランドや英国ブランドの企画をやっていたこともあるので、デザインや生地、素材などモノづくりの知識があることが非常に役立っています。お客様の質問に対しても、「アメリカだとこういうイメージですね」とか「英国ではこうですね」というような会話をすることができるので、安心感を持ってくださる方が多いんです。だからこそ、1回のオーダーに時間がかかってしまうのですが(笑)。仕立てたスーツを気に入られて、新たにオーダーを頂いた時の喜びはひとしおですね。生涯現役でありたいと思っているので、いつかはトランクを持ち歩きながら、訪問販売で生計を立ててみたいです。


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30代前半からは、専らオートバイに傾倒。

━オフの時はどのような過ごし方をされていますか?

バイクが趣味で、素人ながらレーサーまでやったことがあるんですよ。免許を取ったのは遅いんですが、30代前半からオートバイにハマってしまって、初めはホンダのバイクから入って、カワサキ、スズキを経て最終的にドゥカティにたどり着きました。レース用にビモータを買ったり、オフロード用のバイクを買ったり、ピーク時には家に5台ありましたね。女房も自分だけ1人で家にいるのは嫌だからということで免許を取り、よく一緒にツーリングへ出かけていましたよ。最近のマイブームは、車で横浜のバイクショップへ出かけて、「最近のメーカーはすごいね」とか、お店の方とバイク話に花を咲かせること。それからコーヒーショップでくつろいで家へ帰るというのは、良い気晴らしになります。


インスピレーションで選び、良さは後から分かるもの

━モノ選びのこだわりを教えてください。

洋服にしても小物にしても、バイクにしても、やっぱり感性で選ぶのが面白いと思うんですよ。まずはインスピレーションでかっこいいと思ったり、機能的で便利だと思うモノを選んで、それから使ってみて初めて、素材であったりモノづくりの良さを実感することができると思っています。もちろん最終的な仕上がりが大事なんですが、素材の雰囲気とか、原料の良さとか、そういう“準備”がきちんとできていれば、ある程度良いものができるんですよね。バイクもエンジンからバラしてこだわってみたこともあるんですが、結局最終的には自分がそのバイクに乗って、仲間たちとツーリングして楽しく過ごせたということが大切なんです。ですので、第一印象で選んで使ってみて、「ああ、いいじゃん」と思えたモノは、本当に良いモノなんだと思います。


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英国の老舗テーラー「ハンツマン」で見惚れた革小物がきっかけ。

━グレンロイヤルとの出会いを教えてください。

弊社が英国の老舗テーラー「ハンツマン」と縁がありまして、何度か英国にあるお店へ行ったことがあるのですが、その時に見たレザーの小物がとても印象に残っていたんです。その後帰国したら代理店の渡辺産業さんでグレンロイヤルを取り扱っていたので、「カインドウェア」のお店で仕入れることにしました。僕が個人的に最初に手に入れたのは、キーホルダー付きの便利なシューホーン。ですが、残念なことに失くしてしまったんです。それから、このジャバラ式の財布を購入しました。


長財布だと重々しいですが、手で持った時にジャストフィットするサイズが良いなと思いましたね。初めは小銭を入れられるのか不安だったのですが、どのポケットに入れてもジップを閉めれば小銭が飛び出さない設計になっているんです。なので、僕は取り出しやすい一番真ん中のポケットに小銭を入れて、左右にはカードや領収証を入れるようにしています。名刺も入るので、名刺入れを使わないようになりました。この財布と携帯電話さえあれば、どこへだって出かけられますよ(笑)。手入れもマメな方ではないのですが、ブライドルレザーは繊細な表情なのに強い革。これだけ傷が付いてしまったら破けてしまってもおかしくないのに、まだまだ大丈夫ですし、逆に傷がかっこよく見えますよね。この2年間、絶えず持ち歩いて愛用していました。


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機能的で使いやすいモノの方が、長く愛用できる。

━長く愛用されているモノの条件はなんですか?

元々そこまでブランドを気にする方ではないので、直感で「かっこいい」と思ったり、機能的で使いやすいモノは長く愛用することがあります。たとえば、仕事で使うペンにしても、一番愛用しているのは「パイロット」のボールペン。母親が使っていたモノを譲り受けたのですが、非常に使いやすいので5年ほど愛用しています。それと同じくらい「ティファニー」のボールペンも使っていますが、こっちは女房からのプレゼントなので、使わなければまずいという理由なんです(笑)。自宅には、昔買った「カルティエ」のシルバー製のペンなんかもありますが、結局使っていないので、箱の中で錆びているかもしれません。このグレンロイヤルの財布もそうですが、やはり使いやすいモノでないと、長く愛用するのは難しいですよね。


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「カインドウェア本店」モードアドバイザー 西原 英司さん

photoTRYOUT textK-suke Matsuda

「カインドウェア本店」モードアドバイザー
西原 英司さん

「カインドウェア本店」モードアドバイザー 西原 英司さん

1950年生まれ。大学を卒業後、メンズファッション学院に入学。
1974年に「株式会社カインドウェア」に入社。13年間働いた後、デザイナーズブランドへ移籍し、スーツ部門の企画を務める。その10年後、再び「株式会社カインドウェア」へ復職。
現在は「カインドウェア本店」にてモードアドバイザーとして活躍。2015年には、男子専科の主催する「Mrダンディアワード」にてグランプリを受賞。敬愛する人物は、ジェレミー・ハケットとラルフ・ローレン。

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