GLENROYAL of Scotland

       

No.29

マネージングディレクターが語る、
グレンロイヤルの魅力とこれから。

「グレンロイヤル 」マネージングディレクターテリー・ヒューストンさん

人の手が通った正真正銘の英国製品であること。
これは創業当時から貫き続けているユニークポイントです。

若くしてファッション産業に従事し、多種多様な経験を経た後に、グレンロイヤル社に参画したテリー・ヒューストンさん。20年以上グレンロイヤルを見続け、現在もマネージングディレクターとして同社の経営を担っている人物の一人です。今回は来日のタイミングで、グレンロイヤルの魅力や今後の展望、彼が住むスコットランドについてなど、様々なお話をお聞きしました。

確固たるモノづくりをプレミアムブランドに昇華。

━グレンロイヤル社のどんな所に可能性を感じましたか?

グレンロイヤルに私が参画したのは、およそ23年前。当時はまだチェッカーレザー社という会社の手がける小さな一ブランドでした。同社は海外輸出向けの革製品を英国外の工場などで作っていましたが、その中でもスコットランド生産にこだわっていたのがグレンロイヤルでした。プロダクトのクオリティもかなり高かったですし、生産国にこだわっているのもとてもユニークだと思ったのは印象に残っています。そして、ビジネス部門のアドバイザーとして参画し、プレミアムブランドへと押し上げるために尽力してきました。たしかにスコットランド人も革製品は好きなのですが、東京を一つ例に挙げてもスコットランドの約2倍もの人口がいますからね。昔は英国の百貨店やお店にもプロダクトを卸していましたが、現在では日本やイタリア、ドイツやドバイなどが主な卸し先になっています。スコットランドの工場では確固たるモノづくりを貫きながら、卸先のお店と一緒にプレミアムブランドとしての価値を伝えていく。そういった戦略を積み重ねたことで、昔に比べて次第にビジネス規模も広がってきていると感じています。


イメージ

自然の景色を楽しむライフスタイル。

━休日にはどんな過ごし方をしていますか?

今はスコットランドに住んでいるので、自然が豊かなこともあり、ガーデニングは毎週しています。あとは、よく油絵や水彩画も描きますよ。スコットランドにはドラマチックな風景がたくさんあるので、田舎の景色やボート、人々なんかを描くことなんかが多いかもしれません。今回の日本滞在は、博多、下関、広島、倉敷、大阪、奈良など日本各地を訪れてきたのですが、日本にもたくさんの美しい景色があるということを知ることができました。とくに、宮島でケーブルカーに乗り、瀬戸内海を一望できたのは思い出深いです。旅も大好きで、長男がアメリカに住んでいることもあって時々遊びに行くことがあります。個人的にとくに好きな旅先は、オールドファッションかつトラディショナルな国であるポーランドと、アフリカの近くにあるカナリア諸島です。


イメージ

温かみのある国民性と盛んなモノづくり。

━テリーさんにとって、スコットランドはどのような国ですか?

スコットランドの人たちは、優しくて誇りを持っている人が多いと思います。日本でもオケージョンにより着物を着るような文化があると思いますが、スコットランドの場合はキルトを着ることがあります。トラディショナルながらのタータンチェックは自国を代表するオリジナルデザインですからね。また、ハイランドなどの北の方へ行けば行くほど、温かくてトラディショナルな人が多く、自宅でハリスツイードであったり、キルトを作っているような職人さんも多いです。そういったものをエディンバラやグラスゴーのマーケットへ持っていって売っているんですよね。他にも車のシート用のレザーや革靴を小さい規模で作っている職人さんもいます。


イメージ

ブライドルレザーとスコットランド製を貫き続けること。

━グレンロイヤルのプロダクトの魅力とはなんでしょうか?

まずは製品にするのが難しいブライドルレザーを使い続けていること。他のレザーと比べ、製品を長く愛用するという視点ではやはりブライドルレザーが一番だと思っています。時間をかけてなめされたブライドルレザーは繊維が詰まっていてハリがあります。だからこそ、店頭に陳列された時の佇まいも美しいのです。その一方で、使い込むと繊維がほぐれてやわらかくなり光沢が出てきすので、新品とはまた違った表情を楽しむことができます。次に、人の手が通っている正真正銘の英国製品であること。ヨーロッパの中で作っている製品は多いですが、創業以来スコットランド生産にこだわり続けているのはユニークなポイントだと思っています。私自身もロングウォレットを愛用していますし、オフィスで使っているコースターやデスクマットもグレンロイヤル製です。車なんかは経年劣化をしてしまいますが、グレンロイヤルの製品は、長く使うことで経年変化(エイジング)を楽しめるタイムレスなプロダクトだと思います。


イメージ

イメージ

一つの素材から高品質なプロダクトを生み出し続ける。

━グレンロイヤルの今後の展望について教えてください。

これからさらにキャッシュレス化が進みますし、クレジットカードですら携帯電話に集約される時代が来ると思います。その証拠として、今は大きな財布よりもコンパクトな財布の方が人気ですよね。ただその一方で多くの女性はいまだにハンドバッグを愛用されていると思います。日本で考えてみても人口の半分は女性なので、今後は女性のマーケットに対しても積極的にグレンロイヤルを紹介していきたいと思っています。たとえ、世界が変わっても、我々にできることは一つの素材からクオリティの高い製品を市場に合わせて作り続けていくこと。とくに私たちの製品を購入してくださるトップマーケットのお客様は、大量生産ではなく、丁寧に作られた品質の良い製品を求めていると思いますので、そこに応えられるようなモノづくりを続けていきたいと思っています。


イメージ

「グレンロイヤル 」マネージングディレクター テリー・ヒューストンさん

photoKenichiro Higa textK-suke Matsuda(RECKLESS)

「グレンロイヤル 」マネージングディレクター
テリー・ヒューストンさん

「グレンロイヤル 」マネージングディレクター テリー・ヒューストンさん

北アイルランド出身。16歳の頃からファッション産業に携わり、製品やテキスタイルの輸出業に従事する。その後、バラの輸出や酪農など様々な職業を経て、グレンロイヤル社にビジネスアドバイザーとして参画。現在もマネージングディレクターとして経営に携わる。

photoKenichiro Higa textK-suke Matsuda(RECKLESS)