GLENROYAL of Scotland

       

No.45

モノライターの習慣にマッチした、理想的なマネークリップ。

ライター秦 大輔さん

経年変化を楽しめるのに、傷も目立ちにくい。
レイクランドブライドルは絶妙です。

ライター歴18年。大学在学中から雑誌制作に携わり、現在も数々のモノメディアやファッションメディアで執筆を続ける秦大輔さん。職業柄、新たなモノやカルチャーとの出会いも多く、コーヒー、レコード、バードウォッチング、アクアリウムなど、心のままに興味の対象を広げることを楽しまれているそうです。そんな秦さんが数年前に出会い、自身のライフスタイルにしっくりきたという、グレンロイヤルの小銭入れ付きマネークリップ。その魅力について語っていただきました。

新たな発見に出会うことで、分野が広がっていく。

━お仕事のスタイルについて教えてください。

キャリアとしては編集業も経験していますが、得意ではないということもあり、これまでライター業に注力してきました。スタンス的には、もし依頼があればやらせていただくといった感じです(笑)。自分で○○ライターと名乗ったことはありませんが、長くお世話になっている『Begin』の影響もあり、モノについて書かせていただくことが多いです。たとえば、最近の仕事では『TIMEX PERFECT BOOK』をほぼほぼ一冊執筆させていただきました。モノ以外に得意としているのは、スーツなどのドレスファッション。様式美の世界なので、一度勉強すると知識をずっと活かすことができます。そのほかに、メーカーさんのカタログやウェブでも文章を書かせていただいています。料理人であれば目の前のお客様から「おいしい」とダイレクトに反応をいただくことがありますが、そういう意味で、ライターはなかなか喜びを感じづらい仕事かもしれません。書いた文章を最初に読んでもらうのが編集者の方なので、褒められると嬉しいという気持ちはありますが(笑)。ですが、取材を通じて新たな発見に出会えるのは魅力だと思います。たとえば『Begin』のコーヒー特集で企画や文章を担当させていただいていますが、お店の取材や新しいコーヒーグッズとの出会いを通じて、自分自身もコーヒーに夢中になり、器具を購入して自宅でも淹れるようになりました。これからも専門分野を決め過ぎず、色々と分野が広がるのを楽しみたいと思っています。


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魚や鳥など、生き物に触れるのがマイブーム。

━オフの時間はどのように過ごされていますか?

基本的にはインドアなので、自宅で本を読んだり、映画を観たり、レコードを聴いたり……、今年からはアクアリウムに夢中になっています。昔から生き物が好きで、中学生の頃はよく魚を飼っていました。水槽をレイアウトするのも面白くて、葉っぱを植えたり、自分で流木にくっつけたり、部屋の模様替えのような気分を味わうことができます。熱帯魚を3種類と、エビを飼っているのですが、指を入れると近くに寄ってきてくれるのが可愛くて、原稿を書くのに疲れた時に癒されています(笑)。ピグミーグラミーという熱帯魚が、雄同士で喧嘩をする際に「カカカカ」と鳴くので、たまに寝室の方まで聞こえてくるというのも風情があって良いですね。改めて生き物に興味を持つようになったのは、仕事でバードウォッチング特集を担当したのがきっかけかもしれません。「バードリサーチ」という団体で鳥類の研究をされている方を取材させていただいたのですが、井の頭公園でシジュウカラという鳥の鳴き声を聞き分けて、上空にいたタカの存在を発見されていたのに感動しました。本当にとんでもない世界ですよね。僕もいつか生き物の専門誌で書いてみたいという気持ちもありますが、学者並の知識を持つライターさんも多いそうで少々尻込みしています(笑)


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長く愛用できるプロダクトには、背景にロマンがある。

━モノを選ぶ際に大切にされていることは?

長く使えるモノが欲しいので、気を衒わないデザイン、使いやすさ、丈夫さ。この3つの基準でモノを選ぶことが多いかもしれません。モノ雑誌の仕事をしていると、毎月何かしらモノが欲しくなるので、無駄使いはしたくないと思いつつ、いいなと感じたモノを積極的に買ってみるようにしています。もちろん失敗することも多いのですが、気に入れば長く愛用します。素敵なモノに出会えた時は、どういう工場で、どういう風に作っているのか思いを馳せるのも楽しいです。昨年、ターンテーブルを買い替える機会があり、〈レガ〉というメーカーの製品に出会ったのですが、1973年に英国で生まれてから40年以上アナログプレーヤーにこだわり続けてきたことを知り、ロマンを感じました。しかも偶然なのですが、〈ケンブリッジオーディオ〉のフォノイコライザー、3年前から愛用している〈マーシャル〉のスピーカーなど、気づけば音響セットが英国ブランドで統一されていました。とくに生産国へのこだわりがあって揃えたわけではないので、面白いですよね。このシステムで、イギリスのR&Bシンガー「ジョス・ストーン」など、英国の音楽を聴くと、感慨もひとしおです。


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質実剛健なモノづくりと、追求された利便性。

━グレンロイヤルの印象を教えてください。

大学の終わりの頃、所属していた編集プロダクションでスーツ雑誌を担当する機会があり、その中の小物ページでグレンロイヤルのことを知りました。当時から質実剛健という印象があり、伝統的で昔ながらのモノづくりを貫いているメーカーだと感じていました。それからしばらく経って仕事で製品を使わせていただく機会があったのですが、見た目がクラシカルな一方で、利便性を追求されていることに驚きました。実際に自分が使うようになったのは、3年ほど前。当時愛用していた某ブランドの二つ折り財布がボロボロになってしまったので、グレンロイヤルの小銭入れ付きマネークリップに買い替えました。購入前に、他のメーカーの製品も含めて色々と調べていたのですが、まさに求めていたデザインの財布があることに驚き、すぐに「ブリティッシュメイド 青山本店」に買いに行きました。財布をお尻のポケットに入れる習慣があるので、コンパクトであり、耐久性のあるものが良かったという理由はもちろんですが、使い始めてから、想像以上に使いやすいということを改めて実感しました。


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見た目以上の収納力と、ワンアクションで取り出せるスマートさ。

━小銭入れ付きマネークリップの魅力を教えてください。

それまではずっと、二つ折り財布を使い続けてきたので、領収書を大量に溜め込んでしまう癖がついていました。一方でマネークリップは簡易的に挟んでいるだけなので、帰宅後に領収書をしまうという習慣が身についたのは良かったです。僕の住んでいる方南町駅にはまだまだ古い商店街が残っており、現金が必要な場面が多いので、小銭入れが付いているマネークリップは本当に使い勝手がいいです。かれこれ20年以上通い続けている、近所の大好きなラーメン屋「九千坊」も現金決済ですし、むしろ電子決済になったら寂しい気持ちになるかもしれません(笑)。僕自身、お会計のやり取り自体が嫌いではなく、コミュニケーションのひとつだと思って楽しんでいます。この財布に替えた時も、お会計の時に「九千坊」のご夫婦に褒めていただきました。普通の財布とは明らかに所作が違いますし、お金もカードもワンアクションで取り出せるのは魅力ですよね。見た目以上に収納力があり、小銭やカードがたくさん入るというのも、コーヒーショップや熱帯魚のお店などの会員カードを持ち歩く僕にとっては嬉しいポイントです。


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味を楽しめるのに、傷が目立ちにくいという素晴らしさ。

━レイクランドブライドル(エンボス加工のブライドルレザー)を選ばれたのはなぜですか?

このマネークリップに出会うまで、エンボス加工のブライドルレザーを見たことがありませんでした。そういう理由で、ウェブで知った時からとても気になっていましたし、実物を見た時にすごく良い表情だったのが、選ぶ決め手になりました。ブライドルレザー自体の高級感や独特なハリ感もありますが、物語性と言いますか、さらに手間をかけて作られているという印象を強く受けました。あとは、傷が目立ちにくく、味として見えるという懐の深さも魅力的です。パンツのバックポケットに入れることからもお分かりのとおり、基本的に財布を雑に扱うことが多いですし、メンテナンスもほとんどしません。だから、以前シボの細かいカーフの財布を使っていた時には、綺麗なのは最初だけで、どんどんみすぼらしく劣化していってしまいました。そういう意味で、このレイクランドブライドルは絶妙だと思います。そこまで細かいシボではないですし、ベースがタフなブライドルレザーですので、味は出るのに傷も目立ちにくい。本当にバランス良く作られています。


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ライター 秦 大輔さん

photoKenichiro Higa textK-suke Matsuda(RECKLESS)

ライター
秦 大輔さん

ライター 秦 大輔さん

1980年生まれ。ライター歴18年。大学在学中から編集プロダクションでアシスタントとして働き、編集・ライターとしてのキャリアをスタート。その後、ライター集団「シティライツ」、世界文化社での経験を経て、再びフリーランスのライターとして独立。現在は、『Begin』や『MEN’S EX』などのファッション誌、モノ雑誌を中心に、ウェブメディアやブランドカタログでも執筆を手がける。代表作に『TIMEX PERFECT BOOK』(2021)など。神田川の鴨を眺めるのが癒しだとか。

photoKenichiro Higa textK-suke Matsuda(RECKLESS)