GLENROYAL of Scotland

       

No.36

フォトグラファーの価値観に合う、
使い勝手の良いマネークリップ

フォトグラファー若井 玲子さん

ポケットに収まるコンパクトサイズなのに、とても機能的。
ロンドンはもちろん、都市の生活に欠かせないマネークリップです。

2017年に、ファッション撮影を追求するために渡英したフォトグラファーの若井玲子さん。ロンドンで2年間を過ごし、ファッションウィークのバックステージなどで本場のカルチャーに触れてきたそうです。その後、2019年に帰国してからは国内外の雑誌や広告などでご活躍されています。そんな若井さんが愛用しているのは、グレンロイヤルを代表するモデルの一つでもある小銭入れ付きマネークリップ。イギリスでの生活に適した機能的なデザインに惹かれ、選ばれたのだとか。若井さんのお仕事やロンドン留学時代のお話と合わせて、その魅力を伺いました。

ファッションへの憧れが、社会問題への関心に変わる。

━2017年に渡英された理由を教えてください。

ファッションウィークのバックステージに入って撮影するのが夢だったんです。結果的に、ロンドンに住んでいた2年間のうち春夏と秋冬レディースとメンズのコレクションがそれぞれあるので計8回撮影する機会がありました。2019年の8月に帰国したのですが、最後のファッションウィークでは思い切ってミラノとパリまで遠征してきました。時世的にオンライン開催が定着するかもしれないので、そういうことも相まって一生の思い出になりました。渡英する前はファッションの仕事に強い憧れを持っていて、本場であり、カルチャーが生まれる場所であり、ファッション産業の中心を知りたいという思いでした。ところが、実際に行って過ごしてみると、過剰につくり過ぎた洋服の廃棄問題、環境汚染や動物愛護、人種差別など、ファッション業界におけるさまざまな課題に直面することも多くて……。ここ数年は日本でも“サステナブル”という考え方が浸透してきていますが、じつは海外では当たり前に考えていることだったりもします。そういう文化に触れた影響もあり、だんだんと自分の中でも興味の対象が変わってきました。もちろんファッションは好きなのでずっと続けていきたいのですが、今後は自分の撮る写真や表現を使って、社会問題に対する考えを発信していけたら良いなと思っています。


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一期一会を大切にしていた、ファッション漬けの毎日。

━留学中はどのように過ごされていましたか?

シェアハウスに住んで、年4回のファッションウィークに稼働できるよう、日本食のお店と写真スタジオの両方で働きながら生計を立てていました。空いた時間には、現地で知り合ったモデルやスタイリスト、ヘアメイクと一緒にファッションシューティングをしていました。日本では考えられないのですが、ロンドンだとモデル事務所にコンタクトして「テスト撮影をしたい」と言えば、日本とは比べものにならないくらいの多くの候補をあげて撮影させてもらえるんです。しかも、たとえば有名ハイブランドのショーに出たような新人の方でも、企画とスケジュールさえ合えば、家まで来てくれて撮影することができます。海外の雑誌には、写真を送って気に入ってくれたら掲載してくれる「サブミッション」という文化があるので、たくさん作品をつくって送っていました。もし掲載してもらえたら、全員にとってうれしいですからね。そんな感じで、とにかくファッション漬けの毎日でした。そもそも私が写真を撮っているのは、一期一会を大切にしたいという思いがあるからです。ファッションショーはたった5〜10分の出番のために世界中からたくさんの方が集結して、終わったらすぐに解散するという文化。そういった形にならない瞬間を残しておけるのは写真の魅力だと思います。とくにファッションショーのモデルというのは寿命の短い場合が多い職業でもあるので、彼女たち(彼ら)と出会った瞬間を撮影できるのは光栄なことです。そういう意味でも、良き出会いの多い留学生活でしたね。


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個性を尊重し、社会問題への意識を持つカルチャー。

━英国人の考え方に影響を受けたことはありますか?

日本では、いまだにかわいい女の子の定義が、髪が長くて、肌が白くて、痩せている人というステレオタイプが強いですよね。私もよく広告の仕事で写真に写ったモデルを「細くしてください」と言われる事がありますが、それはきっと世の中の多くの人が、細い=美しいと思っているからだと思います。イギリスはそもそも人種が多様なので、個性を尊重するという文化があります。たとえば私は髪型もショートカットで、スカートのような女性らしい洋服を着ないのですが、こんな感じでいても「それはあなたのスタイルだから良いんじゃない」と受け入れてくれるのは良いなと思いました。とくに最近では「ボディ・ポジティブ」という考え方が浸透してきていて、痩せすぎているファッションモデルと自分を比べたり、SNS上と現実とのギャップに苦しむ若者の健康を憂い、「ありのままで良いんだよ」というのがファッション業界の中でも強いメッセージになっています。あとは、環境問題に関心のある人も多いのも印象的でした。たとえば、私がファッションショーを回っていた時に、ペットボトルではなくコップで飲み物を渡されて。その際に「Please write your name for earth(地球のためにあなたの名前を書いて)」と言われてハッとさせられました。そうしたらもう一回飲みたくなった時新しいコップを使わなくていいでしょう?って。もちろん、意識の高さは人それぞれなのですが、そういった考え方はとても勉強になりました。


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ミニマリストだからこそ、生涯ともに過ごせるモノを選ぶ。

━モノを選ぶ際に、どのような基準を大切にしていますか?

私は基本的にモノをあまり持ちたくない性格なんです。イギリスへ留学する時にも、最低限必要なモノ以外はだれかに譲ったりして、ほとんど手放してしまいました。今は日本に住んでいますが、またいつ海外へ行くかもしれないので、常に身軽でいたいとは思っています。だからこそ、自分にとって必要なモノを選ぶ時は、多少値段が高くても丈夫で長く愛用できるものを選ぶようにしています。職業柄、激しく動くことも多いので、モノが消耗しやすいという理由もありますが。頻繁に買い換えるのも億劫なので、丈夫で機能的で、自分にしっくりくる使い心地のモノが良いですね。たとえば、本日履いてきたドクターマーチンのブーツ。かれこれ5年以上履いていますが、履きつぶれることもなく活躍してくれています。むしろ、最初は革が丈夫過ぎるせいで足の方が痛くなっていましたが(笑)。今ではすっかり自分の足に馴染んでとても歩きやすいです。ロンドンの本店で購入したので、履き口に付いたタグの仕様が特別なところも気に入っています。


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ロンドンの生活になじむ、小銭入れ付きマネークリップ。

━グレンロイヤルとの出会いを教えてください。

数年前に私の大学時代の同級生で、過去にこのコンテンツにも出演していたフォトグラファー・松沢美緒さん(https://glenroyal.jp/journal/interview-16-matsuzawa-nao/)に紹介していただき、グレンロイヤルの輸入代理店の直営店「ブリティッシュメイド」のWEBサイトでコラムを書かせていただいていました。それをきっかけにブランドのことを知り、渡英してから半年後に一度日本へ帰るタイミングがあったので、その時にはじめてコレクションを見ることができました。とにかく丁寧なモノづくりで、質の良さを肌で感じたというのが最初の印象。ちょうどイギリスの生活に合う財布を探していたので、マネークリップを購入しました。ロンドンなどの都市部では、日本よりもキャッシュレス化が進んでいるので現金がほとんど必要ないんです。むしろ、現金をたくさん持っていると盗まれてしまうので(笑)。そうは言っても、屋台や日曜日に開催されるマーケット、それから日本へ帰った時に多少の現金が必要な機会もあるので、小銭入れの付いたマネークリップを選びました。それから愛用していたのですが、イギリスへ戻ってからバイト先に泥棒が入って盗まれてしまったんです。しかも、それがグレンロイヤルのあるスコットランドへ行こうと思っていた前日で……。財布はかなり気に入っていたので、あとで泣く泣く同じモノを購入して、じつはこれが二代目になります。


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環境に配慮しながら、真摯なモノづくりを続ける姿勢に共感。

━愛用されているグレンロイヤルの魅力を教えてください。

とにかく使い勝手が良いですね。銀行のカードやクレジットカードなど、必要最低限のカードは入りますし、イギリスのコインは重いのですがそれも収まります。あとはポケットにしっかり収まるくらいコンパクトなサイズなので、ピックポケット(ポケットから盗まれること)防止にもなります。購入した時に付いてきたオリジナルの布袋も便利で、日本に帰国してからはレシートを保存しておかないといけないので、財布がパンパンにならないように布袋に入れてうまく使い分けています。あと、革の質感が気持ち良いところも気に入っています。二代目を使いはじめてからまだ1年くらいですが、使えば使うほど自分の手に馴染んできたような感覚がありますね。メンテナンスはたまに布で拭くくらいしかしていませんがツヤもでてきました。革製品の中には環境に有毒なケミカルを使って染めているようなものもあると聞きますが、グレンロイヤルは植物でなめしたブライドルレザーを使っており、環境に配慮したモノづくりをしているというところも素敵だと思います。長く大切にするモノだからこそ、ブランドの背景やモノづくりの姿勢に共感できるとより愛着が湧きますし、そういったブランドを応援したくなりますよね。


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フォトグラファー 若井 玲子さん

photoMasahiro Sano textK-suke Matsuda(RECKLESS)

フォトグラファー
若井 玲子さん

フォトグラファー 若井 玲子さん

北海道出身。2010年に多摩美術大学の美術学部グラフィックデザイン学科を卒業し、都内のスタジオに勤務。その後、フォトグラファー・宮原夢画氏に師事し、2014年に独立する。2017年には「Wix “Capture Your Dream Photo Competition”」で世界各国の応募者7200人の中から選ばれて優勝。アメリカで念願だった「無重力状態のファッション撮影」を成功させる。同年に渡英し、ロンドン、ミラノ、パリのファッション・コレクションにてバックステージを撮影。2019年に日本帰国。
https://www.reikowakai.com

photoMasahiro Sano textK-suke Matsuda(RECKLESS)