GLENROYAL of Scotland

コンセプト

クラフトマンシップを尊重したものづくりを行なう
グレンロイヤルの新たな試み
「GLENROYAL meets CRAFTSPEOPLE」。
ブランドの象徴的な素材である
ブライドルレザーと共鳴する
伝統的な素材や特別な技術を継承する
クラフトマンにフォーカスし、
新たなプロダクトを生みだすプロジェクトです。
第1回目となる今回は、
日本を含む世界各地で古来より親しまれている
「藍染」にスポットライトを当てました。

#01
ブライドルレザーと
藍染の共通の魅力

ブライドルレザーと藍染、両者は共通の魅力を持っています。そのひとつが機能性。蝋を染み込ませたブライドルレザーは堅牢で油分が多い為、水にも強く馬具などに使われてきました。一方藍染には、糸を強くするほか抗酸化作用や殺菌効果があるといわれ、かつては武具や火消し装束にも使われるほどでした。
2つ目に今回の藍染は、一般的なデニムなどに使われるインディゴ染めが化学薬品を使っているのに対し、本藍染と呼ばれる自然由来の方法。化学薬品を使わず、藍から出来る“すくも”を発酵させた液体を使って染めており、ブライドルレザーと同じナチュラルな素材なのです。そして、使い込むごとに光沢や風合いが現れるブライドルレザーと同様、藍染でつくられた製品も、使えば使うほど深みのある美しい青色へと変化していきます。

ブライドルレザーと藍染の共通の魅力
藍の種類と歴史

#02
藍の種類と歴史

藍染の歴史は古く、紀元前3000年頃のインダス文明の遺跡からは藍染の染織槽の跡が見つかったといわれ、中国やヨーロッパへと広がっていきました。ヨーロッパではウォードという藍が有史以前から藍染に使われていました。なかでもイギリスやドイツ、フランスなどでは6世紀頃から盛んに栽培され、16世紀には最盛期を迎えます。しかし同時期に、より藍色の成分が高く効率よく栽培できる、インド原産のインド藍が登場。ウォードは姿を消しそちらが主流となっていきます。
一方日本では、奈良時代に大陸から藍染の製法が伝来し、各地に広まっていきました。主にタデ藍を用いた藍染は江戸から明治時代にかけて、様々なものに使われ、暮らしに欠かせないものになったのです。明治時代に来日したイギリス人化学者のロバート·ウィリアム·アトキンソンは、町のあちこちで見られる藍染の美しさに感動し“ジャパンブルー”と呼びました。

藍の種類と歴史

#03
滋賀という土地、
本藍染の魅力

藍染は徳島県の阿波藍や栃木県の益子木綿など、日本各地で産業として発展しました。今回の「GLENROYAL meets CRAFTSPEOPLE」では、近江木綿と呼ばれ、現在では希少な本藍染が続いている、滋賀県の藍染に注目。タデ藍を発酵させたすくもを使い、石灰や小麦の皮(ふすま)などを加え発酵させて染めていく伝統的な染織方法を行っている工房と共作しました。また、滋賀県は自然豊かな風土が魅力。化学薬品を使わない本藍染だからこそ、今回のプロジェクトにも水道ではなく、清らかな井戸水を使っています。
また、滋賀県といえば“近江商人”が有名。トヨタや髙島屋など現代でも有名なさまざまな企業のルーツが滋賀県にあるように、商人が数多く生まれる土地。江戸時代には近江商人の活躍により、藍染をはじめとした特産物が全国に広まりました。そんな滋賀から生まれる本藍染は、タデ藍ならではの奥行きのある青色の美しさが最大の魅力。また、燃えにくく殺菌成分や消臭効果を持つといわれるなど、古くから実用的な素材として愛用されてきました。

滋賀という土地、本藍染の魅力
藍を広めた糸染め

#04
藍を広めた糸染め

滋賀県の藍染は近江木綿とともに発展しましたが、それは糸染めをしていたからと言っても過言ではありません。というのも、生地を仕立てて製品になってから染めるのではなく、糸の状態で染めていたのです。そのため様々な藍染の製品ができあがり、多くの人に愛用されるようになりました。

手間暇かけた製品染め

#05
手間暇かけた製品染め

今回のプロジェクトでも採用している製品染めとは、アイテムが完成した後で染めていく方法。製品の細かな部分まで色を浸透させる一方、ムラがないよう、職人がひとつひとつじっくりと見定め染めていきます。形状によって染まり方もかわるため、糸染めより慎重な作業が必要。まさにクラフツマンシップが発揮される染め方ともいえます。

水洗いで洗練された印象に

#06
水洗いで
洗練された印象に

浸けては絞りを繰り返した製品は、水洗いが仕上げ。定着しなかった藍色を落とすことで、文字通り洗練された印象になります。水洗いをした後、さらに水に浸けておくことで藍染液に入っていた灰汁(あく)を抜きます。これにより青さが増し、藍本来の色味が現れます。これが“垢抜ける”という言葉の語源にもなっています。

#07
旅人に愛される藍染

旅人に愛される藍染

自然由来の原料を使い、手間暇かけて行う本藍染の製品には殺菌効果や消臭効果があり、古来より旅人に愛されてきました。そのうえ、本藍染を施すことで生地そのものの強度が増し、旅に最適な素材に変わります。。また、藍染の原料となる藍の種や葉は、かつて薬として使われており、旅人の必需品として携行されていたそう。今回のプロダクトも抗菌性や防臭性など本藍染ならではの特徴を継承。旅行や出張に適したコレクションなのです。

さらに、日本古来の深い青である“ジャパンブルー”と、グレンロイヤル発祥のスコットランド国旗にも使われる“スコティッシュブルー”に染め分けることで、プロジェクトを象徴する色合いを実現しました。

  • 旅人に愛される藍染
  • 旅人に愛される藍染

使い込むうちに変化し、人々を魅了する青の美しさ。そして耐久性や抗菌性、防臭性など本藍染ならではの魅力が詰まった今回のコレクション。持ち運びやすさや気の利いた収納力を持つなど、旅のさまざまなシーンを想定したプロダクトに仕上がりました。現在では希少な伝統製法で作られる本藍染とブライドルレザー、両者のクラフトマンシップや歴史に想いを馳せつつ、人生という旅のお供にしてはいかがでしょうか。

旅人に愛される藍染