GLENROYAL of Scotland

       

No.011

“モノ”にこだわるメディアの編集長が、
好奇心に導かれて手に入れたペンケース。

ミューゼオ株式会社 代表取締役/「MUUSEO SQUARE」編集長成松 淳さん

珍しいデザインに心を動かされました。
使ったらどうなるのかと、好奇心をかき立ててくれたペンケースです。

モノへの好奇心や愛情を伝えるメディア「ミューゼオ・スクエア」。同ウェブマガジンの編集長である成松淳さんは、自身のライフスタイルを通じてモノを愛することの楽しさを発信し続けています。そんな氏が、長年愛用しているというグレンロイヤルのペンケース。どんなところが琴線に触れたのか、モノ選びのこだわりと合わせてお聞きしました。

人の生活を良くするサービスを提供したい。

━現在のお仕事について教えてください。

エンジニアとサービス開発について議論したり、編集者と企画会議をしたり、各分野の外部ブレーンの方に相談しながらコンテンツを考えたりするのが6割くらい。残りの4割は、社外取締役として7社の経営を支援しています。メディアも含めてサービス開発をしている時間は、やっぱり楽しいですよ。前職でもそうでしたが、“利益を稼ぐ”も大事ですが、“ネットサービスは人の生活を便利にするだけでなく良くすべき”という想いも強いんですよね。


また、最近では、“ミニマリスト”や“シェア”という言葉がエコという言葉と合わせ広く使われていますが、ネットでポチッと購入してすぐに売るという方も少なくはないと思います。おそらく、今後そういった方向へさらにシフトしていくと思うのですが、そんな時代だからこそ「大切なモノを楽しんでずっと大切に使う」という価値観も残したいと思っています。 大切なモノとの生活をもっと楽しみにするために、「ミューゼオ」というコレクションでオンライン上にミュージアムを作ることができるWEBサービスや、モノを楽しんで使っている人やモノなどを紹介している「ミューゼオ・スクエア」というWEBメディアの運営に取り組んでいます。


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好奇心をかき立ててくれるモノに惹かれる。

━モノを選ぶ際に大切にしている基準を教えてください。

昔も今も、好奇心に惹かれて買うことが多いです。長年愛用しているラベンハムのコートやヤード・オ・レッドのペンもそうですし、英国靴にしてみても、ブランドごとに何が違うのかを知りたくなるんですよ。実際に身につけてみると、それぞれ設計思想が違うことがわかるんですよね。そういった部分に面白さを感じます。

弊社のサービス自体のコンセプトもそうですが、好奇心を持って世界を広げるというのは、人生においてもとても必要なことだと思います。自分自身がベンチャー企業に飛び込んだり、現在でも色々な会社に関わっていて思うのは、社長が面白いかどうかということも重要だということ。この人のことをもっと知りたいと思えば、好奇心が湧いてビジネスを楽しむことができる。モノ選びと一緒ですね。


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物語で描かれていた憧れの風景に出会える。

━英国の魅力を教えてください。

イギリスは年に1度は行き、2週間ほど滞在しています。子どもの時にイギリス作品をよく読んでいて、いつか行きたいと思っていました。その憧れが、英国や製品への憧れにつながっているのかもしれません。ロンドンはごみごみしていてあまり好きじゃないので、最近はひたすらカントリーサイドへ行くようにしていますね。僕が好きなのは、デボンという地域なんですが、バーネットの「秘密の花園」に出てくる景色に近いんですよ。舞台はヨークシャーなんですが、物語に出てくるような荒地を探していたらデボンに行き着いたんです。そこの宿に行ってからは毎年通うようになりました。「指輪物語」も好きなのですが、作者であるトールキンも元々はイギリスの人ですよね。物語の風景がまさにイギリスのカントリーそのものですから。イギリスへ行くと、買い物はあまりしないでひたすら電車でぐるぐると回っています。憧れた物語の世界に触れることができるというのは魅力ですね。


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斬新なデザインとタフなモノづくり。

━グレンロイヤルと出会ったきっかけを教えてください。

かなり前に、金色の錠が付いたレッドブラウンのバッグをお店で見て物欲を刺激されました。結局、僕が買う前に店頭からは消えてしまったんですが。今思い返せば、真鍮と革という英国らしいコンビネーションに憧れていたんだと思います。その後、このペンケースに出会い、普通ではないデザインに惹かれて購入しました。


はじめて見た時は、取り出し方の斬新さに使ったらどうなるんだろうと好奇心が湧きましたね。ほかのペンケースとは違ってペンが傷つかない上に、小物入れも付いていて気が利いているところが気に入っています。仕事の時に開くと、まわりの注目を集めることもできます(笑)。感心したのは、ものすごく薄い革で仕上げているのに丈夫なところですね。カバンの中でもみくちゃにされているのにも関わらず、色がみっともなく禿げていくこともないです。10年近く愛用していますが、未だに現役で活躍してくれています。


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一緒に育っていくことが醍醐味。

━ブライドルレザーの魅力を教えてください。

はじめは表面に白くロウが浮き出ていますよね。それを磨いて使い込んでいくと光沢が出ると思うんですが、そういう風に育っていく感じがわかるところが魅力だと思います。僕はレザーケアマニアなので、会社にもケアグッズを置いているだけでなく、社外取締役として机を置かせてもらっているところにも置いています。そして、会議中でも暇さえあれば手入れをしています(笑)。あんまりクリームの塗り過ぎも良くないんですが、ついつい塗りたくなってしまうんですよね。ケアグッズも一通り揃っているのですが、新しい製品を発見するとすぐに試したくなるんですよね。やはり革の醍醐味は、一緒に時間を共有することで成長していくことだと思います。


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アンバランスさも英国製品の魅力。

━英国のプロダクトならではの良さを教えてください。

英国のプロダクトは、ドイツ製みたいに合理的でもなくて、日本製みたいに精密に作られているわけでもないんです。英国製だから全部こうだというよりは、素材そのものはきっちりしていてデザインは変遷しているという印象です。そもそもイギリスという国自体、古いモノと新しいモノが同居していますよね。家は中を綺麗に使いながら、絶対に建て替えないみたいな。残すモノと残さないモノを彼ら独自のロジックで分けていて、結果残ったモノが面白いんだと思います。僕が集めているアンティークのシルバーカトラリーはまさにそれを象徴するプロダクトです。


それぞれ時代が違うんですが、女王の治世によってデザインが大きく変わるのがとても面白い。こういうカトラリーもなぜシルバーで作るのかと言えば、そもそも“代々伝えていくモノ”という想いがあるからなんだと思います。シルバーというきっちりとした素材で作りながら、年代によってはアール・デコ調だったり、マザーオブパールと呼ばれる貝とのコンビネーションだったりとデザインが変わる。そういった良い意味でのアンバランスさが、英国で作られたプロダクトの“らしさ”なんだと思います。


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ミューゼオ株式会社 代表取締役/「MUUSEO SQUARE」編集長 成松 淳さん

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ミューゼオ株式会社 代表取締役/「MUUSEO SQUARE」編集長
成松 淳さん

ミューゼオ株式会社 代表取締役/「MUUSEO SQUARE」編集長 成松 淳さん

1968年生まれ。東京都出身。公認会計士としてキャリアをスタートし、「監査法人トーマツ」を経て、「クックパッド株式会社」へ入社。同社の初代CFOに就任。2013年に自身の会社ミューゼオ株式会社を立ち上げる。
さまざまな会社の社外取締役を兼任し、ベンチャー企業のサポートなどに努める傍ら、自社メディアである「ミューゼオ・スクエア」の編集長としても活躍。
https://muuseo.com/square

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