GLENROYAL of Scotland

       

No.016

イギリスの価値観に感銘を受けた
フォトグラファーのベルト。

フォトグラファー/フードスタイリスト松沢 美緒さん

コーディネートを選ばないのに、
着こなしをしっかりと引き立ててくれるベルトです。

フォトグラファーとフードスタイリスト。二足の草鞋を履く松沢美緒さんは自由な感性で人生を謳歌しています。そのきっかけとなったのは、グレンロイヤルの故郷でもあるイギリスへ留学したこと。生き方やモノへの価値観を変えたイギリスと、愛用しているグレンロイヤルのお話を伺いました。

イギリスで突き当たった、カルチャーショック。

━イギリスへ行かれた経緯を教えてください。

大学を卒業した後、フォトグラファーになるため、フォトスタジオに勤めていたのですが、撮影時に外国人モデルの方とスムーズにコミュニケーションが取れるよう、必要最低限の英語を学びたいという気持ちが芽生えてきました。そこで、スタジオマンとしての修行を終えた後、ハクをつけるために海外へ行こうと思い立ったんです。行き先は、直感を信じてイギリスに決めました。

そして、向こうでもフォトグラファーの師匠を見つけ、いろいろなお仕事の手伝いをしていました。それからは、ビザの関係もあったので3年ほど日本とイギリスを行き来していましたね。


でも、大変な反面、日本にいた頃よりも楽しかったんです。日本では強い上下関係があったり、寝る時間もあまりないような日々を送っていたので、それが当たり前だと思って仕事をしていたのですが、イギリスでは逆。「そんなに気張るとみんなが緊張する」と諭されました。フォトグラファーもモデルも、他のスタッフも平等で、心配になるくらいリラックスして撮影に臨んでいるのには本当に驚きましたね。それなのに、クオリティにも妥協せず、やることはしっかりやるという姿勢がかっこいいなと思いました。自由な精神で生きている人たちに触れて、私も自分らしくラフでいて良いんだということに気づかされたんです。


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ファッションから、「食」への心変わり。

━そこから料理の道へ転身されたのはなぜですか?

恥ずかしながら当時はあまりお金がなかったので、ファッションに限らず、それ以外の仕事も断らず貪欲に受けていました。そのおかげで、レストランやフードを撮影したり、本場の料理人の腕を間近で見る機会が増え、「食」というものへの興味が深くなりました。ファッションにこだわっている余裕がなかったですし、お金がない中で「どうご飯を楽しく食べるか」ということの大切さを感じたというのも理由かもしれません。ただ食べるだけではなくて、料理の盛り付けからテーブルのセッティングまでトータルコーディネートをする。そこに魅力を感じて、ファッションよりも、食にまつわる仕事をやりたいと思うようになりました。そんな気持ちで日本へ一時帰国した際に、代々木上原の「終日one」というお店で、友人の姉が作る料理に惚れ込んだんです。それがきっかけで、帰国の翌日から働かせてもらうようになり、フォトグラファーと料理人の二足の草鞋を履くようになりました。そして、料理の腕を磨いていく中で次第にお菓子作りにも興味を持つようになり、今は「終日one」を辞めて近くのパティスリーで修行をしています。


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プロダクトが紡ぐ、新旧のストーリー

━モノ選びの際にどんな基準を大切にしていますか?

イギリスには古いモノを大切にする伝統があります。たとえば、建物を再建する際、すべて壊さずにレンガだけはそのまま使用しなさいと国が定めているんです。日本では全部壊して新しいモノを作ることが多いので、古き良き部分を残して大切にするという英国人の感覚はとても素敵だと思います。ロンドンに住んでいた時に、時々アンティーク雑貨の買い付けをしていたことがあるのですが、シルバーのカトラリーにイニシャルが入っていて、持ち主のストーリーを感じさせてくれるところが好きでした。さすがに元の持ち主も、自分が大切にしていたカトラリーが巡り巡って日本人に使われることになるとは思ってもいないですよね(笑)。長く受け継いでいけるようなしっかりとしたモノづくりも魅力だと思います。


以前、イギリスを代表するキルティングジャケットのブランド「ラベンハム」の工場へ取材で行ったのですが、働いている職人さんたちが「すごいだろ、これ!」と自社の製品を力説するくらい楽しそうに働かれているのが印象的でした。周りに自慢をしたくなるほどモノづくりにこだわっているからこそ、後世に受け継がれてどんどん新しいストーリーが生まれていくんだと思いましたね。


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スタイリングを格上げしてくれるベルト。

━愛用しているグレンロイヤルの魅力を教えてください。

1年前に出会って以来、かなりの頻度で愛用しています。デザイン自体はシンプルなので、どんなスタイリングにも合わせやすいのですが、ブライドルレザー特有の光沢感に品があって着こなしをしっかり引き立ててくれるのが魅力です。職業柄、普段はTシャツにイージーパンツというスタイルが多いのですが、撮影にクライアントさんが立ち会うようなきちんとした現場の時には、必ず着用するようにしています。カジュアル過ぎてもいけないような時でも、このベルトを1本取り入れるだけで上品に見えますからね(笑)。撮影以外でも、アクティブに動くことが多いのですが、厚みのあるしっかりとしたブライドルレザーを使っているので切れる心配もありません。個人的には、イギリス人のように細かいキズなどは気にしすぎずに、ラフに使うのが好きです。


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さらなる修行のためにフランスへ。

━今後の展望を教えてください

直近では、お菓子の勉強をするためにフランスへ行こうと思っています。それに、フランスもイギリスと同じように古いモノを大切に考える国なので蚤の市を回ってアンティーク雑貨を探すのも楽しみです。フランスから帰国した際には、お菓子をメインに自分の好きなモノを集めたお店を開きたいと思っています。


じつは、自分の店を持つことはイギリスに住んでいた頃からの夢なんです。近所のおばあちゃんから、日本に来た海外の方まで、さまざまな人たちが集まるようなコミュニティの場を作りたいですね。フォトグラファーとしての活動は継続しつつ、今後は料理やお菓子のケータリングを通じて、今までお世話になった撮影現場に恩返しをしたいと思っています。「食」に関してはまだまだ駆け出しなので、これからも精進していきたいと思います!


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フォトグラファー/フードスタイリスト 松沢 美緒さん

photoTRYOUT textK-suke Matsuda

フォトグラファー/フードスタイリスト
松沢 美緒さん

フォトグラファー/フードスタイリスト 松沢 美緒さん

1987年生まれ。大学を卒業後、六本木スタジオに入社。
スタジオマンとして撮影技術を磨く。24歳の時に、ファッションフォトグラフィを学ぶために渡英。仕事をする中で、「食」への関心が高まる。帰国後、「終日one」で料理の修行をする。現在は、お菓子作りを学ぶため代々木上原のパティスリーに勤務。フォトグラファー・フードスタイリストとして数々の媒体でも活躍。
https://miomatsuzawa.com
special thanks:終日one

photoTRYOUT textK-suke Matsuda