No.28

グランピングの伝道師がアウトドアで活用する、

マネークリップとブックカバー。

「Camping with Soul Japan」代表横田 泰典さん

シンプルながら洗練された機能を持つプロダクト。
長く愛用できる分、モノが繋いだ関係性を楽しめます。

2006年にイギリスのロンドンで誕生したキャンプメーカー「Camping with Soul」。その思想とクラシックなベル型フォルムのテントに魅せられ、想いを込めた交渉の末に日本支社を設立した横田泰典さんは、自身の活動を通じて日々 “グランピング”の魅力を発信し続けています。そんな氏が、自宅やオフィスではもちろん、野外へ出かける際にも愛用しているというのがグレンロイヤルのプロダクト。今回はその理由や魅力について尋ねました。

全国のフィールドを行脚し、グランピングの魅力を伝える仕事。

━現在のお仕事について教えてください。

「Camping with Soul」というテントブランドの日本法人の代表を任されています。看板商品の「ベルテント」というイギリスのテントを販売することが主な仕事ですが、時には販売するだけではなく全国のキャンプ場やイベントの運営者さんとタッグを組んで、キャンプ場やイベントのプロデュースごと引き受けることもあります。ブランド自体、日本に上陸させたのは2017年なのですが、1年目だけは自社のグランピング場を運営し、そこで得たノウハウを蓄積したことで、他のキャンプ場のプロデュースなどをできるようになりました。年のほとんどを全国のキャンプフィールドで過ごしていますので、車での移動距離がとんでもないことになっていますよ。大体一年で10,000kmでも乗っている方だと言われるのに、僕は35,000kmを走っていますからね(笑)。


最近では、ラグビーワールドカップの開幕に伴い岩手県の釜石鵜住居復興スタジアム近くにグランピングサイトを設営しました。津波の被害を受けた地域なので、海辺にテントを張って海は怖いだけじゃなくて楽しい場所ということが、地元の子供達にも伝わっていれば嬉しいです。その他にも、自然災害などがあった地域でのチャリティ・グランピングを計画しています。せっかく自然の中で仕事をするのであれば、そういった復興活動にも繋がれば良いと思っています。


イメージ

イギリスで学んだ、自然への敬意と接し方。

━会社の設立前に、イギリスへ留学されたのはなぜでしょうか?

元々は洋服が好きで、自分の中でかっこいいモノや美しいモノを模索していました。ですが、ファッションブランドに勤めていた時に、絵を描かない人がペインターパンツを履いているようなことに違和感を覚えてしまって(笑)。自分は外側を繕うよりも、もっとリアルに体験できるような方へ行きたいと漠然と思いながら仕事を辞めて地元に帰ったのですが、その時に自然の美しさを改めて感じたんですよね。それと同時に自然が世界的に危機的状況にあることを知ったんです。グローバルな問題だからこそ英語を学びたいと思い、白羽の矢を立てたのがイギリスでした。バックパッカーをやっていた時に1ヶ月ほど滞在したことがあり、今起きている物事のルーツを感じたという理由もあったのですが。イギリスは自然が豊かだと言われていますが、じつはクマなんかは1000年前くらいに絶滅しているんですよね。だからこそ、一周回って「自然を大切に」という文化が根付いていると思うんです。たとえば、ある晴れた日に小さなブティックへ行ったら帰り際に「Enjoy The Sun」と言われたことがあります。曇りや雨が非常に多く太陽があまり出ない国だからこそ、自然を楽しんで欲しいという想いを感じることができ、この言葉には感銘を受けましたね。


イメージ

野外で精神的な満足度を高めるのが“グランピング”。

━横田さんにとって、キャンプと“グランピング”の違いとは何でしょうか?

じつは自分のやっていることをグランピングと表現することはあまりなくて、いつもはキャンプをしているだけだと言っています。日本ではグランピングというと、コンシェルジュやシェフが常駐していて、寝床から食事まですべてがオールインワンになっているイメージが強いですよね。僕はイギリスに住んでいる頃に「Camping with Soul」のメンバーと出会い、グランピングを知ったわけですが、彼らはただフィールドや海辺へ行ってテントを張って、そこに“余分なモノ”を持っていくだけなんです。たとえば、キャンプの場合は煮炊きができるモノや暖かく寝られるモノを持っていくわけですが、そこに愛用している家具とか、気に入っている絵とか、季節の花とかを持っていってテントの中に飾ると、グランピングになります。つまり、ベッドがあるとかは全く条件ではなくて、仮に何もないとしても自分がそれで満足しているのであればグランピングと言うことができます。そういう精神的な満足度のことを指すと僕は思っていますよ。 日本では別の意味で捉えられていますが、だからこそ、自動車メーカーさんとコラボをさせて頂いてテントと好きなモノを自分で車に積んで持って行くというスタイルを積極的に発信しています。


イメージ

モノがつなぐ関係性とストーリーを大切に。

━モノを購入する際に大切にしている基準はありますか?

キリスト教の聖書の中にある「私たちは見えるモノにではなく、見えないモノに目を注ぐ。見えるモノは一時的であり、見えないモノは永遠に続くのである」という言葉がすごく好きなのですが、プロダクトもまさにそういう考えで選ぶことが多いかもしれません。物質として見えているモノ自体よりも、その背景にあるストーリーに共感できることや、そのモノがつなぐ関係性の方が大事ですね。たとえば、僕が1年の半分以上を共に過ごしている愛車のランドローバーも、在日本英国商工会議所で繋がりを持たせて頂き、自分のライフスタイルや使い方を話した上で選んでくださったモノを購入しました。基本的には長く使えるモノしか買わないので、この車も10年以上は愛用するつもりです。仮に壊れてしまったとしても、紹介してくださった方との関係は続きますし、その想いを受け取ったという記憶はずっと残り続けますからね。そういう考えだからこそ、オフィスにいるよりも色々な方とお会いしたいと思い、自社のテントを持って車で全国を行脚しています。やはりお客様と話をした方が、モノ以上の価値が生まれますからね。


イメージ

上品な雰囲気を損なわずに、経年変化を楽しめるブランド。

━グレンロイヤルの印象を教えてください。

ブランド自体の存在はもともと知っていたのですが、購入したのは渡辺産業さんとの出会いがきっかけです。ポップアップイベントでお世話になった際に革の品質やストーリーなどを教えて頂き、とても気に入りました。それまでは、経年変化と言うと、ごつごつ削れたり、糸がほつれたり、ジーンズみたいに破けることだと思っていたのですが、上品さを保ったまま、手に馴染んで味が出ていくことに感動しました。この財布は、ラフティングをした時にポケットに入れていたので一度びしょ濡れになっているのですが、逆にタフで上品なブライドルレザーの質感が増したような気もしています。個人的には、「BRITISH MADE」の店舗へ行った時にクリームを塗ってくださるのを楽しみにしています。メンテナンス無精だからというわけではなく、手入れをして頂いている間に、スタッフの方々と色々なお話ができるのが好きなので(笑)。こういう風に、モノが繋いだ関係性を楽しめるのが本当に豊かなプロダクトだと思いますね。


イメージ

シンプルながら、洗練された機能を持つプロダクト。

━それぞれのプロダクトの魅力を教えてください。

マネークリップウォレットは1年ほど前に、ベルトとブックカバーは最近購入しました。財布はいつもポケットに入れているので、大きいサイズが苦手なんです。そうは言ってもマネークリップではコインを収納できないし、コインパースを別で持つのは嫌だなと思っていた時に、その悩みを解決するこの財布と出会いました。カード入れも付いており機能的です。真ん中にイニシャルを刻印したのですが、あえて少し曲げてもらうことで個性を出しました(笑)。ベルトは英国の消防士さんが考案したバックルに感動して購入しました。非常に外しやすいので、自然の状況に合わせて服装を変えることが多いアウトドアでも活躍しています。よくグランピングをする時に本を持っていくのですが、ついつい本を外に置いたままにしてしまい、たまにびしょ濡れにしてしまうんです。


このブックカバーがあれば少しは防ぐことができますし、野外で読書をする時により贅沢な気持ちを味わうことができます。どのプロダクトもデザインはシンプルなのに、機能はとても洗練されていますよね。そういう意味では、弊社の「ベルテント」と通ずる部分が多いと思います。それに、やはり自然の中へ行く時には化学的な素材ではなく天然素材を使ったモノを持っていきたいですよね。まだまだ日本では環境問題がムーブメントとして流行していますが、それが本当の文化として定着した時に、こういうローテクで洗練された機能を持つプロダクトの良さが改めて伝わっていくような気がしています。


イメージ

イメージ

「Camping with Soul Japan」代表 横田 泰典さん

photoMasahiro Sano textK-suke Matsuda(RECKLESS)

「Camping with Soul Japan」代表
横田 泰典さん

「Camping with Soul Japan」代表 横田 泰典さん

埼玉県生まれ。2015年に勤めていたファッションブランドを退社し、渡英。
現地でロンドン発のテントブランド「Camping with Soul」社との出会いを機に、アウトドアや森林保全への関心を強める。2017年に同社の日本法人を設立し、代表取締役に就任。
代表的なプロダクトである「ベルテント」の販売に加え、さまざまなアプローチを通じて“グランピング”の魅力を発信している。
https://www.cwsjapan.co.jp

photoMasahiro Sano textK-suke Matsuda(RECKLESS)