一冊だけの本を売る「森岡書店」とのスペシャルコラボは「SDGs」がテーマ
interview 森岡書店 店主 森岡督行さん
「一冊だけの本を売る書店」として知られる森岡書店とグレンロイヤルが、12年ぶりにコラボレーションが実現。「SDGs」をテーマにした、スペシャルアイテムが完成しました。さりげなく刻印された「12」という数字は、SDGsが掲げる目標の1つ「つくる責任、つかう責任」を表しているといいます。
いいモノを長く──製品に込めた想いについて、森岡書店 店主の森岡督行さんに訊きました。
一冊の本を通じて、読者と著者が繋がる場をつくる
書店なのに、売る本が一冊しかない。森岡書店が銀座にオープンしたのは、2015年のこと。ユニークなコンセプトが話題を呼び、現在では本好きたちが集う特別な場所として愛されています。
「売る本は一冊ですが、そこから派生する展覧会などを通じてお客様に著者や編集者を橋渡しするようなイメージで運営を続けてきました。世界でも珍しい業態だったので、さまざまな国のメディアから注目いただき、海外からわざわざ来てくださるお客様もいらっしゃいます」と店主の森岡さん。
現在のコンセプトで銀座に店舗を構える以前は茅場町で古書店兼ギャラリーを営んでいて、グレンロイヤルとの出会いはその時代の2014年まで遡るといいます。
「以前より興味を持っていただいて。ミニマリストの傾向があることもあり、グレンロイヤルの製品がもつ装飾を削いだデザインの美しさに、非常に惹かれたのを覚えています」。
前回のコラボレーションでは英国の思想に紐づけたいという思いから、英国の数学者・哲学者であるバートランド・ラッセルの著書「西洋哲学史」の序文に着想を得てコンセプトを決めたと森岡さん。
「冒頭に『世界は2つの要因からできている』というテキストがあるのですが、かつてその一文だけ読んで、何かわかった気になったんですね(笑)。善悪とか美醜とか陰陽とか、必ず世界は相対するものでできている。コラボレーションでは、革のネイビーとステッチのイエローで、漆黒の宇宙と光り輝く月を表現しました」。
そして12年の月日を経て、満を持しての2度目のコラボレーションが実現したのです。
テーマはSDGs。やれることは、やったほうがいい
コラボレーションのベースとしたのは、グレンロイヤルの人気アイテムである「2ハンドルジップトップトートバッグ」と「ラウンドジップ長財布」。ブランドの刻印がある面の反対の面に、遠目にはわからないほどのさりげなさで「12」のナンバーを刻印しているのが、クリエーションの肝です。なぜ、12なのか? 12年ぶりのコラボレーションというのは単なる偶然で、実際は「SDGs17の目標」の12番目「つくる責任 つかう責任」をフィーチャーしたといいます。
「SDGsは資本主義の行き過ぎを助長するなんて意見も聞きますが、私はやれることはやったほうがいいと思っていて。グレンロイヤルは『いいモノを、長く』という価値観に沿うモノづくりをしていますよね? なので、そこに立脚して『SDGs17の目標』の12番目『つくる責任 つかう責任』のナンバーを刻印することにしたんです。フォントは広く使われている何のてらいもないものが好きなので、要望をお伝えして金型から作っていただきました。数字の刻印ひとつにも職人の手仕事が効いていると思うと、なんだか嬉しいですね」。
ちなみにフォントは、「ニュージョンストン」というゴシック体。あくまでもさりげなく、輪郭のみを刻印したのは「静かな佇まいを大切にしたい」という考えからだといいます。
コラボレーションのベースとしたのは、グレンロイヤルの人気アイテムである「2ハンドルジップトップトートバッグ」と「ラウンドジップ長財布」。ブランドの刻印がある面の反対の面に、遠目にはわからないほどのさりげなさで「12」のナンバーを刻印しているのが、クリエーションの肝です。
いい道具には、過去と現在、未来が同居する
また、このトートバッグを使い始めてからというもの、「街に出たいという思いが湧くようになった」という森岡さん。そして、ある気付きがあったといいます。
「いい鞄を持てるようになったというのが嬉しかったのもあって、早速、銀座の行きつけのバーへこれを抱えて行ったんですね。席に着くとバーテンダーの方はこの鞄を見て……何も言わなかった(笑)。言わなかったけれど、自分としては誇らしい気持ちで。その日は珍しく、モスコーミュールを頼んで飲みました。すると、バーテンダーの方が『森岡さん、銀座百店の連載が終わりましたね』と声を掛けてくださって
。フリーペーパーの私の連載がちょうど終わってしまったときで、気にかけてくれたのが嬉しかった。それで、『そうなんです。残念だけど、ちょっと休憩して2年後にまた再開する予定です』と返すと、『2年後はウチが100周年ですね』なんて返ってくる。何気ない会話ですけど、きっとこの会話は何年か先も、この日の記憶として残っていくんだろうと思うんです。この鞄を抱えて行った記憶とともに。
それで、大切なモノにはきっと、過去と未来が同居しているんだろうと思いいたったんです。この鞄を抱えてどこかに行った自分が浮かぶのは、未来を思い描いているからですよね? そして、行った先の思い出は、過去のアルバムのように次々に付されていく──。まだ使い始めたばかりですが、私はこの鞄に出会えて本当によかったと思います」。
いいモノを、長く──。それは、人間がサステナブルな生活を送るための指針であるとともに、豊かな時間を過ごすための知恵でもある。森岡さんの気付きは、そんな真理を言い当てているのかもしれません。
皆さまにとってこの度のコラボアイテムが、未来へと思いを巡らせ、素晴らしい時間をともに過ごす存在となれば幸いです。
「12」のナンバーに誇りを込めたグレンロイヤル × 森岡書店のスペシャルモデル
2ハンドルジップトップトートバッグ
ブライドルレザーの表情を堪能できる極めてミニマルなデザインのトートバッグへ、SDGsの目標「つくる責任 つかう責任」のナンバーである「12」を刻印。質実剛健なモノづくりへの誇りや、永きにわたる愛用への思いを込めたスペシャルモデルです。
A4サイズより一回り大きな4Fサイズ(31×24cm)のノートがすっぽり収まるサイズ感は、日常使いやちょっとしたお出掛けにちょうどよいバランス。開口部にはジップ開閉の天蓋を設け、プライバシーや防犯に配慮しています。
スコットランド製。W35×H37×D8cm。
ラウンドジップ長財布
三方をジップで囲んだ定番ウォレットに、こちらもSDGsの目標「つくる責任 つかう責任」のナンバーである「12」を刻印。質実剛健なモノづくりへの誇りや、永きにわたる愛用への思いを込めたスペシャルモデルです。
中を開けるとジップ開閉のコインケースを間仕切りに、左右に6枚ずつ、計12枚のカード入れを備えた大容量の収納スペースが。収納力を重視する方におすすめの財布です。
スコットランド製。H10×W19.5×D2cm。
