No.20
アクティブなフローリストを支える、
機能的なサッチェルバッグ。
「tsuki+」エンターテイメント・フローリスト福原 由香里さん
すごく使いやすいので、仕事でも大活躍しています。
手入れ次第で良い状態を保てるところは植物とも似ていますね。
海外諸国の老舗花屋で修行を積んだ経験を活かし、型に捉われないフラワーアレンジメントと演出で活躍しているフローリストの福原由香里さん。実際に英国に住んでいたこともあり、グレンロイヤルを取り扱う「ブリティッシュメイド」のお店でワークショップを開くこともあります。そんな福原さんが愛用しているのは、女性に人気のモデルであるサッチェルバッグ。今回、英国や仕事のお話とともに、その魅力を伺いました。
花に驚きをプラスして、エンターテイメントに変える仕事。
━エンターテイメント・フローリストとして、どのような活動をされていますか?
アパレルやカフェなどのお店やブランドから依頼を受けて、フラワーアレンジメントを作ったり、ワークショップを開いたりしています。たとえば、ブーケ一つにしても英国のブランドならイギリスのキューガーデンをイメージしましょうとか、古着屋であれば古着の端切れを使って作りましょうとか、何かしら依頼される方の背景を生かして手がけるようにしています。相手から出たキーワードを自分で解釈して、プラスアルファとしてサプライズや演出を加えるのが好きなので、花だけでなくエンターテイメントを届けるということをモットーにしています。
あとは、子ども向けの“花育”イベントを開いたりもしていますよ。母の日や敬老の日、ハロウィンに合わせて学校へ行って、子どもと植物を使って何かを作ることで、生き物としての花に触って大事にすることを伝えたいと思っています。逆に大人の方には、ワークショップを通じて花に触れることが楽しいということを伝えていきたいですね。
オリジナルのサービスを追求するため、ホテルマンからフローリストへ。
━フローリストとして独立するまでの経緯を教えてください。
前職はホテルに勤めていました。その当時はベルガールとして働いていたので、植物に触れる機会もほとんどなかったですし、まともに花を買ったこともなかったんです。ですが、勤めていたホテルがブライダルで日本のナンバーワンとして知られていたこともあって、仕事で花嫁さんと接する機会は多かったです。そんな環境で、花嫁さんがブーケ作りにかけるこだわりのお話を聞いていくうちに、次第に「モノを通じての サービスもおもしろい」と思うようになりました。
そして、どうせなら決して同じモノが作れない植物を使ったサービスをしたいと思い立ち、基礎を学ぶために、「花屋」への転職を決意しました。私が 初めて勤めたところは、六本木という土地柄もあってお客様にも外国人の方が多く、デザイナーとしてヨーロッパ出身のスタッフが何人も働いていました。そのうちの一人に紹介してもらい、29歳で渡英し、ロンドンの花屋で2年間修行をしました。それから、パリやベルリンの花屋でも修行をして帰国した後、日本の企業で少し働いてから、35歳で独立しました。
古き良きモノを長く受け継ぐカルチャー。
━さまざまな国で修行を積まれていますが、英国の文化はどのような印象でしたか?
じつは、ロンドンへ行ったばかりの頃はがっかりしていたんです(笑)。英国のフラワーアレンジメントでは、王道の植物を使うばかりで組み合わせにもそこまでこだわっていなかったので、これなら日本の方が勉強になるのでは…と思っていました。ですが、時間が経つにつれて、街の景観もトラディショナルで古い建物や町並みを大切にしていることに気づき、ここに住み慣れている人たちにとっては、そこまで奇抜なデザインが必要ないのだと感じるようになりました。女性のファッションにしても、パリと違ってオシャレな人ばかりではないですが、逆に言えば流行に流されていない分、同じような格好の人はほとんどいなかったですね。ロイヤルファミリーも皆から愛されていて、彼らの身につけているスーツや革靴、バッグなんかは他の国でも話題になっていました。そういう文化に触れて行くうちに、本当に良いモノを長く大切にするということが、すごく良いことだと思うようになりました。
経年変化を通じて、一点モノになり得るモノが好き。
━モノを選ぶ時に大切にしている基準はありますか?
値段に関わらず、気に入ったらとことん使い込む主義ですね。見た目重視で選ぶこともありますが、それよりも質にこだわっていて長く愛用できるモノが好きです。たとえば、このシザーケースは特注で美容師さんの使うケースをアレンジしてもらったもので13年以上愛用しています。一度ステッチがほつれてしまった時に修理屋さんに出したのですが、ハサミを入れていることもあってまたすぐに穴が空いてしまって……。
結局、自分でワイヤーを使って補強しながら使っていますが今でも現役で活躍しています。古くなって傷が付いていても、経年変化として味が出ているものはかっこいいですよね。そういうモノであれば、自分にとって一点モノになるので、より愛着も湧いて長く使うことができると思います。長く愛用するという意味では古着も好きで、イギリス留学中に購入した「ロンドントラディション」のダッフルコートも5年以上大切に着ています。
スコットランド人の情熱がモノづくりにも生きている。
━グレンロイヤルとの出会いを教えてください。
「ブリティッシュメイド 銀座店」でワークショップをした時に出会いました。私はロンドン留学中に剣道クラブに入っていたのですが、そこで出会ったスコットランド生まれの方がかなりパワフルだったんです。ロンドンの友人からも、スコットランド人は勤勉で気高いと聞いていたのですが、想像以上に熱い方で(笑)。そんな縁もあって、スコットランドにも興味を持ち実際に足を運びました。だからこそ、帰国した後に、スコットランドらしい生真面目なモノづくりを続けている「グレンロイヤル」と絡めたワークショップのお話をいただいた時にはとても嬉しかったです。
フローリストという職業は両手を使うことが多いですし、仕入れに出かけたりすることも多いので荷物がたくさん入る方が便利なので、私はサッチェルバッグを選びました。じつはまだ一年程度しか使っていないのですが、毎日使っているおかげでだいぶ味が出てきています。このバッグを実際に使ってから、改めて質の高いモノの良さを実感しましたね。
トラディショナルな見た目なのに、機能にも優れたバッグ。
━サッチェルバッグを実際に使ってみて感じたことを教えてください。
打ち合わせに使うA4サイズのファイルもすっぽり入りますし、500mlのペットボトルを入れることができるのも嬉しいです。ポケットが付いているので、財布やiPad、手帳や充電器など細かいモノを分けて収納できるところも良いですね。フラップを留めるベルトもマグネット仕様で簡単に開閉できるので、片手でも開けられますし、荷物が取り出しやすいです。ブライドルレザーもいつのまにかどんどん柔らかくなっていて、持っていて手や身体に馴染むようになってきました。
私は使い方が荒いせいか、よくバッグを壊してしまうのですが、毎日使っていても全然くたびれないので安心しています。手入れをあまりしないで使っていたのですが、久々に「ブリティッシュメイド 銀座店」に立ち寄った時に見かねたスタッフの方が磨いてくれました。そうしたらすぐにツヤが蘇ってきて、革も植物と同じで手入れが必要なんだということを学びましたね(笑)。使っていくうちにどんどん色が濃くなっていくと聞いたので、シザーケースと同じくらいの色になるようさらに使い込んで、経年変化を楽しんでいきたいです。
photoTRYOUT textK-suke Matsuda
「tsuki+」エンターテイメント・フローリスト
福原 由香里さん
1982年生まれ。専門学校を卒業後、「シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテル」に入社。
接客業としてオリジナルサービスやサプライズ演出を追求する中で、生き物である植物を使った唯一無二のサービスに興味を持ち「フローリスト」に転職。東京・ロンドン・パリ・ベルリンの老舗花屋で修行を積んだ後、フリーランスとして独立。現在はフラワーアレンジやブライダル以外に、花育を目的としたフラワーレッスン、ストリートアートフラワーなどでも活躍。
http://tsukiplus.tokyo
https://www.instagram.com/tsuki_plus/
photoTRYOUT textK-suke Matsuda