No.27

英国王室研究家をうならせた、
美しく機能的なサッチェルバッグ。

英国王室研究家/ファッションディレクターにしぐち 瑞穂さん

ここまで気の利いたサッチェルバッグはなかなかない。
英国の製品にはトレンドや性別を越えた魅力があります。

初めての渡英を機に、ロイヤルファミリーに魅せられたにしぐち瑞穂さん。現在は、数少ない“ファッションに強い英国王室研究家”として、ファッション誌でのロイヤルスタイル監修やコラム執筆、トークショーなどさまざまな領域で活躍されています。今回は、自身のルーツでもあるスタイリストとしての活動を続け、英国製品にも造詣の深いにしぐちさんに、愛用されているグレンロイヤルと英国についてのお話を伺いました。

英国王室と生きる、不眠不休の365日。

━現在のお仕事について教えてください。

英国王室に詳しい方は私以外にもいらっしゃるんですが、ファッションに特化している人というのは珍しいんです。おそらくそういう理由で色々な方から英国王室のファッションにまつわるお仕事をいただいています。『25ans』で週4日コラムを書かせていただいたり、最近では同誌の動画シリーズにも出演させていただいています。あとは、トークイベントの出演や、英国王室にまつわるポップアップショップやギャラリーを監修させていただいたり。変わらずスタイリストとしての仕事も続けていますが、とにかく空いている時間は、ほぼ英国王室のウォッチングに費やしています。インターネット社会なので家に居ようが、イギリスへ行こうが全部仕事になってしまうんですよね。もはや“好き”のレベルを越えています(笑)。だって考えてみてください。365日、今こうしている間にもロイヤルファミリーの誰かが何かしらの活動をしているので、ほかの仕事をしながら情報収集をして、家に帰ってからもブログやコラムを更新しなければいけないんです(笑)。しかも、向こうではイギリス時間です。Wi-Fiの繋がらない環境へ行かない限り、休みはないといえますね。これが成り立つのは、英国王室が開かれているからでしょう。国内外を問わず人気の王室なので、SNSで一斉に色々な情報をオープンに配信しているんです。それがゆえに、私のような不思議な存在ができたわけです(笑)


イメージ

キャサリン妃のファッション観に、感銘を受ける。

━そもそも英国王室に魅せられたのはなぜですか?

昔から洋服にはその人が表れると思っていたのですが、日本では他人が決めたトレンドに振り回される人が多い印象が強かったんです。ある意味ではオシャレに興味がない人の方が、その人自身が見えると言うか。そんな想いを抱きつつ、2011年の結婚式以降キャサリン妃のファッションを見るにつけ、着回しやTPOに合わせた洋服選びなど、頭を使ったスタイル、そしてブレずに自分らしさを貫く姿勢に興味が湧きました。それで、スクラップブックを作り始めました。ものすごくアナログに作っているので、1冊作るだけでもかなり時間がかかります。簡単に書き換えられないので詳細な情報を確認したり、中面の写真をコピーするためにコンビニのコピー機を占領したり……。しかも生写真のようなツヤ感の出るコピー機じゃないとダメというこだわりもあったし(笑)。ロイヤルウェディングから始まり、ブックが6冊になったところで人生が一変し、おかげで忙しくて作れないという状況です(笑)。いつかキャサリン妃にこのブックを見せるのが夢です。


イメージ

伝統とユーモアが共存する、英国の価値観。

━ロンドン留学時に、とくに印象的だったことはありますか?

まず、“モノを捨てない文化”に感動しました。親戚や友達にあげないような古着でも、チャリティーショップへ持っていけば、誰かに買ってもらうことで別の誰かの役に立つ。自分が持っていくことで少なくとも二つの利益が生まれるというシステムができているのはすばらしいと思いました。英国には気に入ったモノをとことん愛用するという文化が根付いていて、チャールズ皇太子が公務でお召しになっているダブルのジャケットにはかけはぎがあったり、エリザベス女王の革靴もリペアを繰り返して愛用されています。年齢を問わず女性も祖母からヴィンテージを受け継ぐというのが基本になっています。つまり、トレンドに縛られず色々なものを駆使して、自分のスタイルを作りあげるのが英国ファッションの文化なんですよね。そういう文化があり、伝統や歴史を含めて古いモノを大切に、もう一方ではアレキサンダー・マックイーンのように、伝統に反骨心やユーモア、センスを融合させて新しい時代を開拓していこうという革命的デザイナーが生まれるのも英国。そういう二面性が私はとても好きです。そこから学んで、渡英前はストレス発散のために取り憑かれたように新しい洋服を買っていた私が、ほとんど買わないようになり、少なくとも帰国後の一年間は外部からのファッション情報をシャットアウトして確固たる自分のスタイルを見つめ直しました。その結果、今では、イギリスらしさがあり、モダンかつファンキーという三本柱を満たすモノだけを買うようになりました(笑)。


イメージ

トレンドや性別を越えて、自分スタイルのヒントになる。

━英国製品の魅力とはなんでしょうか?

英国の製品は“ファッション”と呼べるほど簡単なものじゃないんですよ。元々が生活に基づいて作られているモノばかりですし、ハリスツイードやブライドルレザーみたいに昔ながらの伝統的な素材も多いですよね。日本で言うところの着物みたいに、その土地の風土を生かした製品だからこそ、英国製という歴史がもたらす信頼感が魅力の一つでもあると思うんです。だからこそ、トレンドや性別を超えて取り入れられるのが魅力だと思います。とくにバッグに関して言えば、女性にとって男性よりもバッグの重要度は高いのに、日本の女性はトレンドで選ぶ方が多い気がしています。エリザベス女王がどこへ行くにも肌身離さず同じブランドの同じ形のバッグを使い続けていらっしゃるように、自分の芯となるようなアイテムに英国製品を選ぶことは、自分らしいスタイルをつくるヒントになるのではないでしょうか。それが長く愛用するモノであれば、モノづくりにこだわっている英国製品はうってつけだと思います。


イメージ

タフで型崩れしにくいブライドルレザーが好み。

━サッチェルバッグを選んだ理由を教えてください。

このサッチェルバッグは、グレンロイヤルらしい無骨で頑固なニュアンスを気に入り、約2年前に購入して以来愛用しています。元々馬具が好きなこともあって、イギリスへ留学する前から、自分の中ではレザーと言えばブライドルレザーでした。経年変化が好きと言われる方も多いかもしれませんが、私は逆でそう簡単に変化しないタフなところが好きです。斜めがけのバッグを持つ時に、腰に型崩れしたバッグをぶら下げるのが嫌なんですよね。だから、ヴィンテージのようにクタッとしたレザーよりも、しなやかで美しいままのブライドルレザーの方が良いんです。極端な話、ブルームが付いたままでも良いくらい。あえてクリームなどは塗らずに、雑に(笑)でも、愛情を持って使うようにしていますよ。カラーはイギリスらしい赤を選んだのですが、こういったクラシックな表情のバッグを持つ時には王道のアイテムで固めずに、エッジの利いたエッセンスを小物などで取り入れるのが自分流。今日は足元に〈チャーチ〉のスタッズの付いた革靴を合わせました。男性的なイメージがありますが、女性にも是非オススメしたいアイテムのひとつです。


イメージ

抜群の収納力と、気が利いた機能の数々。

━愛用していく中で感じた魅力を教えてください。

私はすごく荷物が多いのですが、このバッグの収納力はすごいです。iPadや眼鏡、大きな財布、手帳、携帯、スマホケース、口紅などを雑に放り込んでも、すべて入りますし、サブポケットもあって整理整頓が上手な人のように綺麗に収まります。私の小物はすべて色物なので、カバンを開けた時にカラフルでつい誰かに見せたくなってしまいますね。中で小物が行方不明になるということもないですし、フタをマグネットで開閉できる仕様で荷物を取り出しやすいのでとても便利です。いつも私のバッグはかなり重くなってしまうのですが、斜めがけをした時にレザーがしっかりしている分、あまり重さを感じないのも良いですね。昔からこういう斜めがけできるバッグが好きで愛用していますが、ここまで気の利いたサッチェルバッグはなかなかないんです!


イメージ

イメージ

英国王室研究家/ファッションディレクター にしぐち 瑞穂さん

photoKenichiro Higa textK-suke Matsuda(RECKLESS)

英国王室研究家/ファッションディレクター
にしぐち 瑞穂さん

英国王室研究家/ファッションディレクター にしぐち 瑞穂さん

TVアナウンサーのスタイリングなどで、20年以上スタイリストとして活躍。初渡英でロンドンに魅了されて、そのまま移住。帰国後はスタイリスト業の傍ら、”英国王室ウォッチャー” としてリサーチを毎日休むことなく続け、2013年より『25ans』のWEBにて、キャサリン妃や英国王室についての記事を週4日更新。またYoutubeにて動画シリーズ“ロイヤルスクープ”にも出演。その他コラム執筆、TV出演、イベントでのトークショーや、英国関連ショップのディレクションなど、ファッション・英国・キャサリン妃関連で幅広く活躍中。著書『幸せを引き寄せる キャサリン妃着こなしルール』が好評発売中。
http://happymizuhoblog.blogspot.com

photoKenichiro Higa textK-suke Matsuda(RECKLESS)