GLENROYAL of Scotland

イギリスで火事といえば、1666年に起こったロンドン大火。パン屋のかまどから燃え広がった炎は4日間にわたって燃え続け、ロンドン市内の家屋の約85％が消失したといわれています。そして、この火事がきっかけで誕生したのが世界初の火災保険会社。その後、この会社がつくった私設消防隊を基盤に、1866年にロンドン消防隊が誕生しました。つまり、現在のロンドン消防隊は民間の会社をルーツとした、珍しい経歴を持つ組織なのです。

ちなみにイギリスでは警察、消防、救急への緊急通報は999のひとつだけ。999へかけるとオペレーターから警察、消防、救急のうちのどれに繋ぎたいのかを聞かれます。もし、今にも犯罪に巻き込まれそうな状況で声を発することができない場合、55をプシュッすると危機的な状況であることがオペレーターに伝わるサイレント・ソリューション制度が2002年からスタート。しかし、17年経った今でもこの制度の認知度は低いのだそうです。

さて、グレンロイヤルでは消防にまつわるアイテムとして、ファイアーマンバックルベルトがあります。これは消火用ホースを固定する金具の構造をバックルに取り入れたもので、火災現場で1分1秒を争う際にベルトを一瞬で外すためにつくられました。使うつかわないに関わらずこうしたギミックや、エイジングが楽しめるブラス製のバックル、ブランドの代名詞であるブライドルレザーの質感が、男心をくすぐるディテールになっています。